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2015.02.07

【抜粋】サワコの朝 コシノヒロコ 「カーネーション」よりすさまじいお母ちゃん。

阿川佐和子の衣装は「ヒロココシノ」
多分脱いでも可愛いと思います。かわいらしい。
あたしこういう着物っぽいプリントがいいなあと思って。

佐和子:長女がヒロコさん。時々お会いになったり
ヒロコ:ううん、帰ってきますよ。岸和田祭り、だんじりの時は
    「お母ちゃんのためにも帰ってこなきゃダメよ」って言って。
佐和子:3人ともデザイナー。互いに認め合って・・
ヒロコ:認め合ってるかどうかわからないけど(笑)
    今でもお互いライバル意識で「少し凹めばいいのに」とか思って(笑)
    でも一人凹むと、天国にいるお母ちゃんが嘆くだろうと。
■三姉妹の性格
佐和子:ヒロコさんから見た3人の性格の違いはあるんですか?
ヒロコ:全然違う。私は子供の頃からものすごく気が弱くって。
    こんな性格じゃなかった。人に会うのが嫌いだった

    とにかくおじいちゃんおばあちゃんに可愛がられすぎて
    ジュンコはそれに対して、とてもジェラシー。
    「お姉ちゃんばっかり!」みたいな。
    ミチコは我関せず。上の姉二人がどんなにケンカしてても知らん顔

    「ここは私が関係せんほうがええわ」そのへんが賢いです。
    今でもそうですけど、面白いですよ。
    違いは洋服にも出てたんですよ。
    私は子供の頃、祖父に連れてってもらって歌舞伎見たり
    そっからくる色や形が、私の中にあって。その中から表現していく。
    ジュンコは非常にアバンギャルド。宇宙空間から出てきた近未来的な。
    ミチコは非常にスポーツの好きな子だった。
    テニスで1位とってますから。彼女のやることは全てスポーツウエア。
■ 朝ドラ「カーネーション」よりも凄まじいお母ちゃん
ヒロコ:NHKの朝ドラに出るのが夢だった。
     集金に来るじゃないですか。その人捕まえて
     「あんた、NHK帰ったらな、あさどら!うちのやってって
      言うといてくれる?」(笑)
     そんなもん関係ないから、言うのやめとき・・なんでもそんな調子。
     朝ドラで見るより凄まじいんですよ。
     みんなからすごく神様みたいに言われるんですけど
     うちのお母ちゃんほどおっちょこちょいで、ええかげんで
     この人だけは頼れないわ、と思った。
     お母ちゃん73で自分のブランド発表したの。
     あたしびっくりしたのは、作品みんな
     きょうだい3人とものアイディア、バッチリパクリ

     私らなあ「ジュンコの真似だけはせんとこ」「ミチコの真似だけは」って
     こんなに頑張ってんのに、お母ちゃんのデザインなんやねん、言うたら
     「お母ちゃんの自慢は、あんたら3人生んだことや。
      あんたらのオリジナリティは私のもんや。親やったら当たり前やろ」

     「わかりました」言うて帰ってきましたよ。
     あたし感心したのは、それぞれのいいところきっちり抜いてるんです。
     ジュンコらしいとこ、ミチコらしいとこ、ヒロコらしいとこ。
     ちゃんと見抜いて、ちゃんとパクってるんです(笑)
     やっぱり親にはかないませんわ。
■記憶の中で今でもきらめく曲
笠置シズ子「買物ブギ」

あれ、お母ちゃんの歌かなと思った。
朝から晩まで働き詰め。とにかく忙しいんですよ。
あわてんぼうで慌ただしくて。とにかくやかましい。
こどものことは後回しでとにかく自分のことしか考えられない。
お母ちゃんのことを表してる歌でした。
いつも背中を向けて何かやってる。
「お母ちゃんお母ちゃん、ちょっとこっち向いてよ」
私たちのこと気にかけてよって言うんですけど、気にかけてくれない。

佐和子:お母ちゃんがそうだったら、その職業に反感持つとかなかったんですか?
ヒロコ:あたしはすごい反感持ってました。
    親の後継をしなきゃいけないって、子供の頃から言われて。
    親がやってること見ると、あんなこと絶対やりたくないと思ってました。
    お盆や正月、人様が遊ぶ時に一所懸命洋服縫うわけでしょ。
    何日徹夜しますか。居眠りしながら縫ってるんですよ。
    その頃ファッションなんて楽しい世界じゃなかったのよ。
    ひとのために犠牲になってるふうにしか見えない。
    後継は絶対嫌や。したらお母ちゃんが
    「そうか。ほな自分の好きなことしぃ」
    言われて「あたしは絵描きさんになりたい。なるねん」
    3つの時から絵をかいてた。
    東京か京都の美大受けるから、一生懸命勉強した。
    そしたらお母ちゃん気が変わって
    「やっぱり美大行くのやめとき。絵描きさんは苦労ばっかりやからあかん。
     やっぱ洋裁や」「いいや絶対嫌」1年間反抗して。
    3階の私の部屋から飛び降りて死んだろか、思て。
    それぐらい親の言う通りするのが嫌だった。それが高3の時。
■転機:デザイナーを目指した理由
ヒロコ:でも私の目からウロコがポロッと落ちることがあった。
    中原淳一先生の本があって。すごい素敵なお洋服の絵が。
    今で言うファッションのイラストレーターの絵を載せてた。
    「洋服の世界の中で、絵を描くことがあるんや」
    絵が、いわゆる設計図みたいなことがあるんだと。
    とても素敵なイラストで描かれたものが、服になるんだ。
    生かせる世界があるんだなということ。
佐和子:描くことで、洋服に還元する。
ヒロコ:そうそう。私は縫わなくていいんだ。
    画家という形でファッションに還元すればいいとわかったの。

※中原淳一は女優・故葦原邦子の夫。


中原淳一ホームページ 中原淳一ホームページ

■妹・ジュンコさんとの関係
もう毎日喧嘩ですよ。装苑賞とか出すときに彼女にアシストさせて。
そこは協力し合って。ちゃんと私の横でイイトコだけをピシッと取って。
非常に早道をパパパーンと行くわけです。
私はいいんだか悪いんだかわからない。
けど横で見てるジュンコはいいとこだけをさささっと。
だから私より早く装苑賞とったんです。
一生、この道に関して頭が上がらない。カーっときたの。2位だったんです私。
1位とれなかった。たまに会ったときはその話絶対出しませんけど。
あの子も触れません。けどある番組できょうだい3人出た時は
テレビだと言えるんですね。
「弱い私がここまで強くなれたのは、ライバルであったジュンコのおかげよね。
あの時装苑賞とってなかったから今の私がある。ジュンコに感謝してる」
 
初めてその場で言ったらジュンコが
「ええ~っ。お姉ちゃんのあんな顔初めて見たわ。お姉ちゃん死ぬんちゃう」(爆笑)
わだかまりやライバル意識というものが、お互い支えてきたんだけども
どこかで素直になれたというか、一人の人間として大人になったのが
ごく最近の話ですよ。

■デザイン発想術
私はね、コレクション作るときは必ず旅をする。
今回ギリシャに行って、若者の、あふれ出るようなエネルギーが全部絵になって。
いわゆるストリートブラック。それを見て感動して。
何かに感動するとすぐ絵を描きたくなる。
テキスタイル、材料。私の中から出てきた生地を形で表現するの。
東京は・・あまり私は感じないですね。
いまの、東京で若い人達がやってるファッションは
面白いんですけど、洋服としての価値観、
モードとしての面白さは感じられない。
ながくファッションやってきて、ほんとにいい服を見て育った連中は
どうしても、そこにアート性や精神的な面を求めてしまう。
他の人にない私らしいものは何なのかとか。それを追求する。
ある意味、トレンドとか流行は関係ないと思っちゃう。
「流行ってるから迎合して作んなきゃ」って気持ちは、毛頭ない。
自分の興味のあるものしかやりたくない。

だから私に、若い子達の服をデザインしろと言っても無理です。
私分かってないから。そういう子たちとの生活と私は関係ないから。
やりたくない。

歳をとればとるほど、持っている美貌とか無くなっていくんです。
やはり内面ですよ。洋服によって自分の生活がガラッと変わり
希望が持てるのであれば素晴らしい。
そんな洋服を作ることが私の使命ではないかと思ってる。

50過ぎた男性が好き。うちのお母ちゃんは90過ぎまで恋をしてました。
お父ちゃんは戦争で死にましたから。
お母ちゃんお好きな人を私に会わせませんでした。取られると思って。
女ですよ。子供として苦労してるんですよこれでも。
■今心に響く曲
越路吹雪「愛の讃歌」
大好きなの。あたしも恋をしましたけど、聞くたびに悔しい。


     

     
 

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